9月からもまた、あたたかい場が始まりました。
子育てカフェ&BAR、シーズン2は「幸せな親子関係を育もう」がテーマです。
第1回目は「イライラ子育て、どうにかしたい!」
シーズン2に引き続きご参加の方、年間通しでご参加の方が多く、
2か月ぶりの開催にも関わらず、和気あいあいとした雰囲気の中、スタートしました。
これは誰の課題?
親子の間に境界線を引いてみる。
子育てをしていると、親として過保護・過干渉になっていないだろうか?と思う事ありますよね。
そういう時は、親子の間に健康的な境界線を引いてみましょう。
境界線を引くことを、アドラー心理学では「課題の分離」と言います。
自分の課題と他者の課題を分離するということです。
ここで言う「課題」というのは、その人が引き受ける問題、その人がやることを指します。
具体的には、私がどう過ごすか・どんな友だちと付き合って、何を思いどんな言葉を使うのか。「その選択によって最終的な結末を引き受けるのは誰か」という視点です。
そして、「私の課題」と同じように、相手にも「相手の課題」があります。
アドラーは、あらゆる人間関係のトラブルは、「相手の課題」に土足で踏み込むこと、あるいは「自分の課題」に土足で踏み込まれることによって起こると言います。
ではどうすれば良好な人間関係を築けるのか。
相手の課題に踏み込まない、ただそれだけなのです。
「ゲームをするかしないか」
これは誰の課題でしょうか。
具体的な例で考えてみましょう。
「ゲームをするかしないか」は誰の課題でしょうか?
ゲームをした結果、目が悪くなるのかそれともゲームが強くなるのか、その結果は子ども自身が引き受けること。
子どもの課題なのであって親の課題ではありません。
もう一つの例は、自分が選択したことについて、他者がどのように評価するのかは他者の課題なので、自分にはどうすることもできないのです。
たとえば上司に認められたくて会社で私が頑張って仕事をしても、それを評価するのは上司であって自分では無いのです。
だけど私たちは周りの人から認められたくて頑張るのですが、いつのまにか認められることが目的となってしまい、承認欲求に振り回されることになってしまいます。
そうなるととても危険です。
課題の分離とは、境界線を引いて自分の中に安全な領域をつくる事。
そうすることで、自分も相手も大切にすることができ、対等な関係を築くことができるのです。
「あなたのために」と、子どもに手出し口出ししてしまう。
しかし、親しい関係の時、特に親子関係の場合、健全な境界線を引くということはとても難しくなってきます。
わが子がまだ乳幼児の時は、親の課題と子どもの課題が同じことが多いですが、子どもの年齢があがるにつれて、一人で決めることができますし、自我も出てきます。
だけど親は、わが子のためを思って一生懸命ですから、「もっと○○したら?」「AよりBが良いでしょ」「あなたのためなのよ」と勉強・生活・人間関係などについて、いろいろ口出ししがちです。
そして失敗を体験できないようにしてしまうのです。
過保護や過干渉がなぜいけないのか。
それは「今のあなたのままではダメなのよ」というメッセージとして伝わり続けるからです。
その時の子どもの気持ちは、
「どうせボクはダメなんだ」
「これからはお母さんの言うことだけやろう」
というように自信喪失、思考停止となり、自己肯定感が下がってしまうのです。
また、言葉では「あなたが決めたらいいのよ」と言っておきながら、気に入らない選択をすると、ため息をついたり不機嫌になるといったようにノンバーバルなコミュニケーションで伝わることにも注意したいです。
子どもは親の本心をいつも感じ取っています。
「放任」ではなく、「信頼」
「課題の分離」というと、冷たいようなほったらかしのような印象を受けるかもしれませんが、放任とは違います。
放任とは、子どもが何をしているのか知ろうともせず、興味関心が無い状態のことです。
また、こどもが選択できる責任の範囲を考えておくことも大事です。
わが子がどれぐらいのことを自分で決める能力があるのかを見極めるということです。
そして、子どもから相談があれば「共同の課題」として援助しましょう。
大切なのは、子どもが親に相談しようと思えるような信頼関係を築けているかどうかです。
課題の分離ができると、子どもは
「私は私でいいんだ」
「やってみよう!」
と課題に向き合う勇気が持てるようになり、自分事として結果を引き受けられるようになります。それが自己肯定感を育む子育てとなるのです。
子どもの課題に踏み込んでしまった体験を思い出すワーク。
前半のお話はここまでです。
後半は感情のワークに取り組んでいただきました。
子育てでイライラした時に、課題の分離の考え方を思い出して、親である自分の感情にアプローチしていくと、味わいたくない気持ちが和らいでいきます。
その細かいやり方はここでは割愛しますが、目の前の出来事を冷静に受け止めることができるようになります。
それをワークで体感していただきました。
最後はいつものように各自で振り返ってから、感想をシェアしました。
「課題の分離」とは、「自分を生ききること」
参加者の方の声をご紹介。
・わが子には「自己決定」を大切にして欲しいと願っているはずなのに、子どもが決めた事に口出ししている自分は、ちょっと滑稽だなと感じた。
・ワークで書き出す作業をやってみて、客観視できたのが良かった。
・子どもの手をずっと強く握り続けていたのだと気づけた。子どものペースに合わせてゆるめていきたい。
・自分の感情を俯瞰するというのは、とても豊かな時間だと思う。
・課題の分離とは、自分の課題に着目して「自分を生ききる」ということだなあと感じた。
・月に1回のこの時間はとてもリフレッシュできる。
大切なことを思い出せて、皆さんから共感してもらえてホッできる。
来月のテーマは「見方を変えると子どもが変わる」
リフレーミングについて一緒に考えましょう。
(T.O)
参加者募集中!
これからの子育てカフェ&BAR
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土曜のお昼は、リアル開催の子育てカフェ。
木曜の夜は、オンライン開催の子育てBAR。
お好きな方にご参加ください。
シーズン2「幸せな親子関係を育む」
第1回 イライラ子育て、どうにかしたい!(終了しました)
第2回 見方を変えると子どもが変わる
第3回 「対話」から始まる幸せな親子関係
第4回 ○お話会○ 親子で笑顔になる方法
詳細はこちら
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