「コクレオ劇団による『にじ色の花』- 忘れん坊のマンガ家を救え!!」Manabee Eグループ・共育プログラム

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11月のなかば、Manabee Eグループの共育プログラムを行いました。

プログラムの目的は、人にはひとりひとり違った感情や色々な背景があって生きていることを理解し、お互いを大切にし、衝突を回避するきっかけを作ることです。
テーマは、「コクレオ劇団による『にじ色の花』- 忘れん坊のマンガ家を救え!!」
低学年クラスの子どもたちを対象に、漫画家が夢で見たストーリーの続きをハッピーエンドで終わることを条件に考えてもらいました。

開始前、子どもたちは元気よく入室し、ファシリテーターと一緒に話したり、遊んだりしました。
導入に短いゲームをし、子ども達の気持ちが集中したところで劇が始まります。

ある漫画家が夢で見た内容を作品にしようと思いつきます。

夢の内容は、うさぎとかえるには、自分の祖父母からもらった種があります。二人はそれぞれの思いを胸に偶然、同じ場所に種を撒き、お互い知らないまま水をやり、育てます。ある日、1本のにじ色の花が咲きました。

二人は同時に見つけ、自分の花だと取り合いに…


漫画家はここで夢を忘れてしまいます。でも、結末はうさぎとかえるが仲良くしていたことだけは覚えています。「大変!締め切りまであと1時間、どうしよう?」と困っていたところ、、、
子どもたちの中から、「一緒に考えようか?」と声があがりました。漫画家は「子どもたちに一緒に考えて!」とお願いし、劇が終わります。

ここから、ワークです。2つのチームに分かれて、漫画のコマを考えてもらいました。


ストーリーが決まると、どちらのチームも熱心に描き始めます。表情に凝る子、セリフを考える子、配色が好きな子、みんなが自分の持ち味を生かして作品を作っていきます。途中、休憩時間になっても夢中で描き続ける子も。予定時間を20分延長し、作品が完成しました。

いよいよ発表です。

ひとつのチームは、取り合った花が折れてしまい、二人ともがっかり。数日後、二人は偶然種をまいた場所に居合せ、2本のにじの花を見つけ、1本ずつ分け合い、取り合ったことをお互いに謝るというストーリー。

もうひとつのチームは、花の中に種があることに気づき、種を半分に分け合うことを思いつきます。そして、花びらも半分ずつ分け合い、最後は沢山の花が咲いているとうストーリー。

その後、いいなと思った箇所にいいね!マークを貼ってもらうと、いいね!マークで一杯になりました。

最後に振り返りです。

うさぎとかえるはどうして種を植えたのか。

子どもたちは、うさぎはおばあちゃんのため、かえるはおじいちゃんのため、どちらも人を喜ばせたいという願いを持っていたことに気づきます。

「最初からこの願いを知っていたら、喧嘩にならなかったかも」という意見があがりました。

ファシリテーターが促すことなく、自然と子どもたちの中からそのような意見が出てきたことを嬉しく思いました。

「それでも喧嘩したと思う」という意見もありました。自由に自分の意見を言える安心な雰囲気がありました。

さらに、ハッピーな気持ちと嫌な気持ちはどんな時か考えました。ハッピーな時は自分を大切にしている時という意見も出ました。普段から自分を大切にするという考え方を子どもたちは自然に受け入れているんだなと感じました。

お互いの願いに気づけると、自分も人も大切にできるかもしれない。
そんな余韻を残して、プログラムは終了しました。

 

目的は持ちつつもゴールを手放し、この場で起きるプロセスを信頼する、生きた学び合いの時間となりました。
Eチームは約2か月半、毎週ミーティングを重ね、直前にはメンバーの家に集合し、1日強化合宿も開催して臨みました。

紆余曲折を経て、徐々にプログラムの目的が明確になり、それぞれが得意な事、出来る事を精一杯やり、当日を迎えました。

当日、残念ながらメンバーの一人が欠席となりましたが、メンバーの心は一つにまとまっており、全員の存在を感じながら、プログラムに臨んでいました。

チーム全員の存在が尊いと感じられた時間でした。

細かい反省点はありますが、子ども達が楽しんでくれたことが最大の成果です。
今後もここで得た学びをそれぞれ活かしていきたいと思います。

コクレオの子どもたち、スタッフの皆さま、ありがとうございました。

manabee E グループ N.T