「相手を受け止め、自分を伝える~Manabeeプログラム➂」

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「自分で考え自分で決める~民主的な学びのつくりかた~」
Manabeeプログラム第3回目を行いました。

今回は、manabee1期生でManabeeサポーターのおでんさんが当日の様子を書いてくれました。

(これまでのブログはこちらをご覧ください。
第1回目「being~存在そのものに価値がある~」
 第2回目「自分の人生は自分が決める」

 


Manabeeプログラムもいよいよ後半戦。第3回目は 「相手を受け止め、自分を伝える」。

 

第1回目の自分のワクワク(自己肯定感)を大切にすること、第2回目の他人軸ではなく自分軸で選択することをふまえ、いよいよ他者と関わっていく「対話」について学びます。

 

今回もリアル12名・オンライン32名と多くの方に参加していただき、まずは自己紹介と近況報告を兼ねたハッピータイムで和やかにスタート。
「職場でハッピータイムを取り入れてみました!」と早速学びを実践されている方も。

 

続いてのみほさんからのお話は、まず対話の「土台」について。

・「会話」と「対話」の違い…会話はただ会って話すこと。対話はテーマと向き合って自分の意見をしっかり伝えること

・「講義」「授業」「対話」…「講義」は一方向・対多数。「授業」は会話はあるが教える側と受ける側が明確に決められており、設定されたゴールがある。「対話」は皆が対等。話し合いながら進め、目的を共有しゴールをともに作っていく。

 

次にその「対話」のある学びの場におけるコーディネータの役割についてうかがいます。

 

話がそれたら戻す、ついてこれない人をフォローするという適切な働きかけを行うために、
参加者が安心していられる、全員が対等に信頼し合う適切な関係性を築くために、
心を開き、ゴールを手放し、どこに行きついても大丈夫という適切なあり方をするために、

 →普段から自分の内面を見つめ、対話し、学び続けることが大切

第1回、第2回で学んだ自己肯定感・自己決定が対話においてとても重要だとわかります。

 

 

そしてこどもの森での対話への3つの取り組みについて。

 

1.多数決で決めない

→民主主義=多数決ではない。対話をすることで立場の違う人や少数派の気持ちを考えられるようになる

2.だれもが反対しない案

→意見は違ってもゴールは同じ「よりよい学校を作ること」。なので対話を重ねてみんなが納得できる答えを探し、作っていく。

.浮揚面

→自分が気持ちの良い落としどころはどこなのか、それぞれが自己と深く対話をしていると、ふとみんなが納得できるwin-winの答えが浮かんでくることがある。こどもの森ではこれを浮揚面と呼んでいるそうです。

たった25分の中に、“対話”という言葉の意味付けから始まり、コーディネータに必要とされるあり方、そして長年試行錯誤して築いてきたこどもの森における対話の実践まで、盛り沢山のお話しで、とても贅沢な密度の濃い学びの時間になりました。

 

次にあゆさんからこどもの森で取り入れられている具体的な対話のプログラムについて。

子どもたちが司会も書記も担当し、学校の問題や提案について話し合う全校集会、子どもたちが0から決めていく修学旅行や運動会等の学校行事、みんなでテーマを決めて進める共同プロジェクト、正解がない中みんなで一つの答えを築いていくこども哲学。

対話によって物事を進めていく中で子どもたちは自己肯定感や相手の意見も大切にすること、みんなが対等であること・・きっと大人が思っている以上に多くを学んでいきます。

 

そして今回のワークは子どもになりきってのクラス集会体験!

校内では懐かしの輪ゴム鉄砲が大ブーム。
でもあちこちに輪ゴムが散らかって困った高学年の女の子が議題を提案します。

遊びたいと思っている男子達。
当たったら痛いと思っている低学年の子。
片付けてほしいなぁと思っている大人・・・。

役が書かれたカードを引いてクラス集会スタート。誰がどの役かは内緒で対話が進んでいきます。

「輪ゴムがあちこちに落ちてる。ちゃんと拾ってほしい。」
「拾ってるけど気づかんこともあるねん。」
「輪ゴムが飛んできて怖い。当たったらイヤや。」
「楽しいで。なんでやらへんのん。」

まず自分の意見を主張する子ども?たち。でも対話が進むにつれて相手の思いに寄り添う気持ちがめばえ・・お互いの意見を取り入れた色んな提案が出されていきます

「時間や場所を決めたら?」
「それなら拾いやすいかも」
「一人当たり10本にしてなくなったら遊んだらだめってことにしたら?」
「えーっ。でもそれならちゃんと拾うかな。せめて15本にしてーや。」

結論が出たチームも出なかったチームも活発に発言し合って子どもたちの気持ちを体験できたようです。

 

ワーク後のシェアでは

・思い切って意見を主張したら受け入れてもらえて嬉しかった。
・司会をしているうちにみんなの気持ちをもっともっと引き出したくなった。
・妥協と浮揚面の違いが難しかった。
・違う意見を聞いて新しい価値観を知ることができた。

等々、前半の学びを活かして自分の気持ちとしっかり向き合いながらみんなが心地よいゴールを目指した対話ができたようです。
この中の「妥協と浮揚面の違い」については、納得したかどうか、嫌な気持ちになったかどうか、など意見交換をして考察しました。

 

 

そして、実はこのワーク。実際にこどもの森の全校集会で行われていたものだったんです!

みんなでその時の動画を見て感想をシェアします。

・最初から最後まで子どもたちだけで進められていて驚いた。
・普段から対話を通して自己肯定感が育っているからこそ相手を思いやった主張ができていた。
・悪いことをする子をみんなで責める、という犯人探しにならずにみんながよりよく過ごせるルールを作ろうとしていた。

こどもの森ならではの全校集会の様子に、対話の大切さを改めて実感し、今日学んだことを活かしていきたいとそれぞれが感じたようでした。

 

最終回はESD。
自分を受け入れ、認めることから周りの人々との対話へ。
そして遠い国の人々や自然環境、未来の地球へとManabeeの世界ははどんどん広がっていきます。(J.O)

 

参加者のお一人が、講座の学びをグラレコできれいにまとめてくださいました。
ありがとうございます!

 

 


<第4回目以降の参加者を募集中です!>

残席わずか。お早めにお申し込みください。

詳細は以下をご覧ください。

**************************************

Manabeeプログラムでは、
オルタナティブスクール「箕面こどもの森学園」の17年の実践をもとに、
主体的で民主的な学びのあり方を、みなさんと一緒に対話しながら学んでいきます。
【概 要】
全4講座 7/19、7/26、8/2、8/9
Manabee4つのエッセンスを知る、体感する、深める
*すべてオンラインでのご参加となります*

この講座は、
自分で考え自分で決める~民主的な学びのつくりかた~」という半年間のプログラムの前半部分にご参加いただくものです。

 

【お申込み先】

こちらのサイトからお申込みください。

【Manabee 4つのエッセンス】
*子どもが意欲的に学習に取り組む<自己肯定感
*主体性を持って自分の意思で学ぶ<自己決定
*対話の中で能動的に活動しながら学ぶ<対話
*その成果を活用して社会に貢献していく<ESD

【日 程】
講座①「being~存在そのものに価値がある~」(終了しました)
7/19(日) 14:00~17:00
講座➁「自分の人生は自分がつくる」(終了しました)
7/26(日) 14:00~17:00
講座➂「相手を受け止め、自分を伝える」(終了しました)
8/ 2(日) 14:00~17:00
講座➃「つながる時代のはじめの一歩」
8/ 9(日) 14:00~17:00

【参加費】
一般 3,000円
学生 1,500円(割引コード「gakusei」)
(30歳以上の学生の方は「一般」となります)

【定 員】(先着順)
各回とも 10名(オンライン)→20名に増席いたしました!

【こんな人にオススメ】
・子どもがいきいきと学ぶ場を作りたい方
・教育に関心のある学生の方
・教育に携わる社会人の方
・子育て中の方 など

【ご注意】
今後、コロナウイルスの影響などにより、やむを得ず講座を中止する場合が考えられます。
ご了承ください。

【主催・お問合せ】
認定NPO法人コクレオの森(箕面こどもの森学園)
大阪府箕面市小野原西16-15-31
TEL&FAX 072-735-7676
メール info@cokreono-mori.com
HP http://cokreono-mori.com/