「わが子との間に『境界線』を引きましょう。」という言葉を聞いたことがあるけれど、「境界線を引く」って具体的にどういう事なんだろう?なんだか冷たいような、無責任なような印象を持つ人もいるのではないでしょうか?
今月のテーマ
「自分も人も大切にする『境界線』の引き方」
いつものようにハッピータイムでチェックインして、乾杯してスタートしました~
子育てをしていると、こんなことを感じることがあります。
「ウチの子、ゲームばかりでまったく勉強していないのはさすがにダメでしょ・・」
「両親のアドバイスになかなかNOが言えない。」
「パートナーの不機嫌が、しんどい・・」
「すぐにイライラして、子どもにキレてしまう自分はダメな親だ・・・」
イライラモヤモヤした時に、自分の中で何が起こっているのかに気づいてそんな自分を受容的に受け止めると、心の交通整理ができるので、親子共に互いを大切にでき、結果的に親子の信頼関係を育めるようになっていきます。その手段の一つが「境界線を引く」ということです。
境界線って何だろう?
境界線とは、自分と相手との間にある見えない線のこと
心理学では「バウンダリー」とも言います。この線があることで、「ここまでは自分の領域」「ここからは相手の領域」と区別することができます。
なぜ、境界線を引くことが大切なのでしょうか?」
それは、「わたしもあなたも、お互いに自分らしく生きるため」です。
わたしたちは、元々自由に生きたいという欲求を持っていて、これは人間の基本的な欲求で、「権利」でもあります。そして自分と同じように相手にもその権利があります。境界線を引くというのは、自分にも相手にも安全な領域をつくることになります。Noということは失礼なことではないし、自分にとっても相手にとっても誠実な態度なのです。
特に、親しい関係性との間に引く境界線はとても難しいです。
侵入されるケース・侵入しているケース
自分の領域に侵入されるケースと、わが子の領域に侵入するケースを詳しく見ていきました。特に親がわが子に侵入している時、親は「この子のため」とか「常識」とか「正しさ」があるのですが、結局のところ親がわが子を「支配」しようとしているのです。これが無意識のうちに凶暴な正義となっていることに気づくこと。これが健全な境界線を引くためのスタートです。
勉強をするかどうかは子ども自身が決めること。
勉強をしなかった結果、成績が落ちるのかそれともゲームで強くなって大会に出るのか。その結果を引き受けるのは子ども自身。親は、そんなわが子をどう見守るかを問われているのです。「相手は計り知れない他者である」という感覚を日常的に意識することがとても大切です。
境界線を越えないためにできること
境界線を引いて、わが子のありのままを受け止める。言い換えると、「前向きにあきらめる」ということなのです。子どもは勇気づけられ、安心感と信頼感の中で失敗できる体験を重ねる。親も子どもも「自分を生きる」土台ができるのです。
境界線からつながりへ
境界線を引くということは、決して他者を切り捨てるということでなはく、むしろ信頼して対等であろうとする態度。自分に問い、自分を大切にできて初めて、その先にある「つながり」を実感できるのです。
一人ひとりが自分の音色を奏でながら、他者と一緒にオーケストラを創っていく。他者に遠慮したり、主張し過ぎるのではなく、共にありながら響き合い、生み出していくハーモニーのように感じられたらいいなと思います。
そういうイメージで自分と他者、社会、この世界を信頼していきたいものです。
後半は、ワークとシェアの時間です。
モヤモヤした時の出来事についてワークシートに沿って書き出してもらいました。自分の中で何が起こっているのか内観する時間です。
最後はサークルになって、今日のふりかえりをしました。
以下は参加者さんの声です
・自分に余裕がない時に、境界線を越えやすいと思った。自分のケアをしていきたい。
・境界線って、侵入された時はすぐに気づくけど、自分が侵入している時には気づきにくいので気をつけたい。
・自身が育ってきた環境を子育てに反映させるので、親子の境界線は本当に難しい。
・ワークをしてみて、無意識の中にある自分のニーズに気づいた。これから互いのニーズをテーブルに出し合ってより良い関係にしていきたい。
・今日のお話で「ダブルバインド」のことが印象に残った。言葉と本心が一致することは大切だと思う。
・去年、境界線の話を子育てカフェで聞いたとき目からウロコで、少しづつ実践してきた。今日のワークでは感情までは感じられたけど、自身のニーズまで掘り下げるのは意識しないと難しいと感じた。
・ワークをやってみて、すっきりした。子どもを尊重したいと思っているのに、自分とわが子は一緒であってほしいと思っている。矛盾した自分に気づかせてくれる存在が、わが子なんだと思った。
最後に「境界線~」のポーズで写真を撮りました!
次回7月は、いよいよゆうさんがメインファシリテーターです!
テーマは「家族システムという捉え方」
子育てカフェでは初めて扱うテーマです。乞うご期待!
わたしを生きる*子育てカフェ&BAR
~子どもと一緒に育っていこう~
子育てカフェ&BARが一新!
How toよりも、あり方を深めることに特化していきます。
いよいよ2025年度からはより「自分自身」を深めていくフェーズに入っていきます。なぜ子どもではなく「自分自身」なのか。それは、わたしたち親自身が自分を受容し、あるがままの自分でいいんだと思えていることが重要だからです。自分の凸凹をゆるし、受け入れ、愛することはそのまま子どもをゆるし、受け入れ、愛することにつながります。子どもの自己肯定感を育むためには、わたしたち自身の自己肯定感が大事なのです。こうすれば自己肯定感が育まれます、というHow toは実は表面的なこと。もちろん必要なことではありますが、それ以上にその根っことなる「あり方」が大事なのです。
わたしを生きる人が増えていきますように。
そんな想いで引き続き続けていきます。ぜひご一緒してください。
シーズン1「尊重とつながり」
第1回 Being,Doing,Having
第2回 子どもの何を信じるのか
第3回 自分も人も大切にする「境界線」の引き方
第4回 家族システムという捉え方
シーズン2「現実は内面の投影」(以下、仮タイトルです)
第1回 対話
第2回 反応
第3回 パートナーシップ
第4回 投影
シーズン3「自己受容」
第1回 他者からの承認
第2回 自己承認
第3回 不完全を受け入れる
日 程:
子育てカフェ(土曜の昼)10:00-12:15
シーズン1 ①4/12 ②5/10 ③6/7 ④7/12
シーズン2 ①9/6 ②10/11 ③11/8 ④12/13
シーズン3 ①1/10 ②2/14 ③3/14
子育てBAR(木曜の夜) 20:00-22:00
シーズン1 ①4/17 ②5/15 ③6/19 ④7/17
シーズン2 ①9/18 ②10/16 ③11/13 ④12/18
シーズン3 ①1/15 ②2/19 ③3/19
詳細&お申込みはこちらから。
わたしを生きる*子育てカフェ&BAR~子どもと一緒に育っていこう~