【子育てカフェ&BAR】1‐④家族システムという捉え方

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──今回は「家族システムという捉え方」についてお話ししました。

いつものようにチェックインしてスタート!

 

「家族システム」という視点から見る、新しい関係性の作り方

 

家族とは価値観の違う人たちが集まった、小さな社会。

意見のズレや感情の衝突などの家族間の揺れは「異常」ではなく、「自然」なこと。

大切なのは、それにどう向き合うか

そのためには、どんな視点を持ち、どのように“整えて“いくか。

家族心理学の要素を、ふんだんに入れながらお伝えしました。

 


家族の揺れに「原因」を求めすぎない

 

家庭内で問題(揺れ)が起きたとき、

「子どもが不登校なのは私の育て方が悪かったから」

「夫が協力しないから、私がこんなにしんどい」など

私たちはつい「誰が悪いのか」と原因を探そうとします。

このように、家族の揺れ(問題)を“誰か”のせい“にしてしまう思考は、自然な反応です。

でも、それは時に悪循環のループを生み出します。

そうなると、ストレスになる関係性が続いてしまいます。

そこで大切なのが、「家族全体の構造や関係性の中で問題を見る視点」=家族システムの視点です。

 


揺れは「誰かのせい」ではなく、「関係性の中で起こるもの」

 

家族は、まるで地球のような一つの有機体。

どこかで揺れ(地震)が起きたとき、「地震を起こした日本が悪い」と言う人はいませんよね。

プレートがぶつかり合って揺れが起こるわけですから。

それと同じように、家族の中で起きた揺れも、お互いのコミュニケーション(プレート)の流れで起きるのです。

「誰かのせい」とは限らないのです。

「お互いの影響が重なり合って、今の状態がある」

そう考えると、見え方がぐっと変わります。

たとえば、子どもが不登校になったとき。

それは「その子個人の問題」ではなく、家族というシステム全体のSOSかもしれません。


コミュニケーションの「流れ」を観察してみよう

 

家族関係を整える第一歩は、「コミュニケーションの流れ」を俯瞰してみること。

たとえばこんなサイクルがあるとします

  1. 子どもが学校に馴染めない
  2. 子どものコミュニケーションスキル不足のせいだと感じる
  3. 母親が子供同士の友達付き合いを増やす
  4. 子どもが疲弊し自信をなくくす
  5. 余計子どもが学校に馴染めなくなる

 

こうして見ていくと、良かれと思ってしている母親の行動が、実は無意識のうちに悪循環の歯車を回していることもあるのです。

 


家族の「構造」にも目を向けてみる

 

次に大事なのは、家族の「構造」です。

特に気をつけたいのはこの2つ。

 

① 世代間の境界線「越境」に注意

 

揺れ(家族の問題や悩み)が少ない家族には、子ども世代と親世代に、健康的な世界間の境界線があると言われています。

下の図は、親世代と子ども世代の世代間の境界線が健康的に働いていないケースの例です

 

家族の揺れは、世代間の境界を越境しているサインかもしれません。

 

 

② 「縦の団結」ではなく「横の団結」を

 

揺れ(家族の問題や悩み)が少ない家族には、夫と妻の横の団結がしっかりしています。

逆に

  • 夫と義母が過剰に結びつき、妻が孤立
  • 妻と子どもが一緒になって夫を批判など

こうした構造では、家族のバランスが崩れ、誰かがしんどい役割を担い続けてしまいます。

 


「誰が悪い」ではなく「今の関係の流れを見直す」

 

すべての家族において、誰かが悪いわけではありません

家族の中で起きていることは、単に「そのような循環が起きている」だけ。

地球のプレートの動きに善悪はないように、家族の揺れも、ただの“流れ”でしかありません。

そして、その“流れ”は変えられます。

たった一人の気づきから、家族全体が変化していくこともあるのです。

 


 

◉後半は「家族システム」というテーマで、参加者同士で対話の時間でした。

 

 

以下、参加者のみなさんの気づきのシェアです。(一部)

  • 「夫婦間の対話や境界線を意識することで、不登校の子どもとの関係にも新しい変化が生まれそう」。
  • 「家族の不調は誰か一人のせいじゃないいろんな“流れ”が絡み合っていると実感できた」。
  • 「“自分の機嫌は自分で取る”ことも家族のイライラの連鎖から脱却できると感じた」。
  • 「家庭だけでなく、職場や組織でも同じような“システムの流れ”が見えるようになった」。
  • 「夫の怒りに過敏に反応してしまうのは、自分の過去の体験とつながっていることに気づいた」。
  • 「講座の内容が、感情に巻き込まれる自分を一歩引いて見つめ直すきっかけになった」。

 


最後に:揺れてもいい。選べる力があるということ

どんなに健全な家族にも、揺れは起きます。

でも、その揺れにどう備え、どう立て直すかを知っているかどうかで、未来は変わっていきます。

あなたが家族という場で感じたモヤモヤは、ただの不快ではなく、新しい循環を生み出すための“気づき”のサインかもしれません。

誰かを責めるのではなく、ただ流れを見つめ直すこと。

そうやって私たちは、何度でも関係性を編み直していける。

そんな希望と優しさにあふれた時間でした。

ご参加いただき、本当にありがとうございました。

(歳國裕子)

(リアル会場にて)最後に「家族システム」ポーズを♡皆さんいい笑顔

(ZOOM会場にて)皆さんの気づきが素晴らしかった〜

 


9月よりシーズン2がスタートします!

 

シーズン2のテーマは「現実は内面の投影」

パートナーや子どもなど、相手を通して自分自身の内面をより深く見つめていきます。きっと目からうろこの連続です。
自分を苦しめていた思い込みから解放され、より自由に軽やかに生きていけるようになりますよ〜♡

 

シーズン2 第1回目のテーマは
「違いを超える。違いを楽しむ〜対話〜 」

担当はあゆさんです。お楽しみに!

 

9/6(土)10:00-子育てカフェ
9/18(木)20:00-子育てBAR

詳細は以下をご覧ください。

 


わたしを生きる*子育てカフェ&BAR

~子どもと一緒に育っていこう~

 

子育てカフェ&BARが一新!
How toよりも、あり方を深めることに特化していきます。

いよいよ2025年度からはより「自分自身」を深めていくフェーズに入っていきます。なぜ子どもではなく「自分自身」なのか。それは、わたしたち親自身が自分を受容し、あるがままの自分でいいんだと思えていることが重要だからです。自分の凸凹をゆるし、受け入れ、愛することはそのまま子どもをゆるし、受け入れ、愛することにつながります。子どもの自己肯定感を育むためには、わたしたち自身の自己肯定感が大事なのです。こうすれば自己肯定感が育まれます、というHow toは実は表面的なこと。もちろん必要なことではありますが、それ以上にその根っことなる「あり方」が大事なのです。

わたしを生きる人が増えていきますように。
そんな想いで引き続き続けていきます。ぜひご一緒してください。

 

シーズン2「現実は内面の投影」
第1回 違いを超える。違いを楽しむ〜対話〜
第2回 「感情に振り回されない私」になる
第3回 良好なパートナーシップのつくりかた
第4回 現実は自己イメージの映し鏡

シーズン3「自己受容」(以下、仮タイトルです)
第1回 他者からの承認
第2回 自己承認
第3回 不完全を受け入れる

日 程
子育てカフェ(土曜の昼)10:00-12:15
シーズン2 ①9/6 ②10/11 ③11/8 ④12/13
シーズン3 ①1/10 ②2/14 ③3/14

子育てBAR(木曜の夜) 20:00-22:00
シーズン2 ①9/18 ②10/16 ③11/13 ④12/18
シーズン3 ①1/15 ②2/19 ③3/19

詳細&お申込みはこちらから。
わたしを生きる*子育てカフェ&BAR~子どもと一緒に育っていこう~