コロナ禍以降オンライン開催が続いていたので、数年ぶりのリアル開催でした。
来てくださったのは、手話エンターテイメント発信団 oioiさんで活動する
中川 綾二(りょーじ)さん
石田 竜士(りゅうじ)さん
のお二人。
笑顔が素敵で明るくめちゃくちゃおもしろいoioiのりょーじさん、りゅうじさんと、どんどんいろんな意見を出してくださる積極的な参加者みなさんのおかげで、終始笑いのたえない、あたたかい場となりました。
【お二人のお話で印象に残ったこと】
★道端やお店で話しかけられたときに「私耳がよく聞こえないんです」と伝えると、相手が去っていってしまうことがある。「あなたと話したくない/話せない」という意味ではなく、コミュニケーションにはいろんな方法があることを知ってほしい。
●ジェスチャー
●口元の動きを読み取る
●筆談
●スマホやパソコンの音声入力アプリ
●手話
●手のひらに文字を書く、空間に文字を書く・・・など。
★「聞こえる=わかる」ではない。聞こえ方も人それぞれ違う。音が聞こえていても、ゆがんで聞こえていて意味がとれていないこともある。特に子どもの場合はそれが説明できない。「聞こえてる?」と言われて「うん」と答えたら周りが「わかってるね」と早合点してしまうことがある。
★学校では、子どもがわからないことを「わからない」と言えたり、「もっとこうしてほしい」と気軽に伝えられる環境づくりが大切。
また、2回にわたる参加者どうしの対話の時間には、
①「聞こえない子どもが学校で困ることは何か?また、解決法にはどんなものがあるか?」
②「手話のよいといころ」
の二つについて3つのグループに分かれて対話しました。
参加者の声のなかでとくに印象深かったのは、
「手話はコミュニケーションの原点に近い」
というものでした。
音声のコミュニケーションに頼りすぎると、スマホやテレビの画面を見ながら雑な対応をしてしまったりしますが、手話で会話するときは必ず相手の顔を見ます。
相手の表情も、体の動きも、全部コミュニケーションの一部。
手話は全身で会話するとても豊かな言葉なんだなあと感じました。
りょーじさんとりゅうじさんも、「顔に出ちゃうから、思っていることと違う手話はしづらい」「ウソはつきにくい」とおっしゃってました。相手の表情をきちんと見ている分、ミスコミュニケーションが生まれづらいという長所もあるようです。
また「自閉スペクトラムの子どもにはハードルが高い部分があるのでは」と思われるかもしれませんが、最後のりょーじさんのお話で必ずしもそうではないことがわかりました。
- 自閉スペクトラムやダウン症で発話が苦手な子が手話だとコミュニケーションが円滑にとれる
- 吃音の方が手話を使うと発話がスムーズになる
- 高齢で耳が聞こえにくくなったお年寄りが手話で話しやすくなる(さらに手先をたくさん動かすので、認知症予防にも効果がある)
・・・などなど、手話には本当に多様な側面があり、コミュニケーションを円滑にするための重要なツールであることを教えていただきました。
そして、一番の感想は、「とにかく楽しかった!」ということです。またoioiさんをコクレオの森におよびして子どもたちに会ってもらう機会が持てたらいいな、と考えています。(K.S)