【子育てカフェ&BAR】②甘えと甘やかしの違い

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こどもの森の子育てカフェでは、子どもの自己肯定感を大切にしています。

今シーズンは、子どもの自己肯定感を育む関わりについてお伝えしていきます。
その一つが「子どもの甘えを受け止めること」です。

第2回目となる本日のテーマは「甘えと甘やかしの違い」
甘えと自立の関係について、みなさんと一緒に考える時間となりました。

 

心の土台、自己肯定感。

はじめに前回の振り返りを簡単にしました。

子どもの心が育っていくうえで一番土台になるものが自己肯定感です。
何かができる(Doing)とか
たくさん持っている(Having)ことによる自信ではなく、

ただ自分が存在していること、
あるがままのでこぼこな自分でいいんだと思える心

それが、自己肯定感です。

揺るがないのは、存在への自信(Being)なのです。

 

では親は、わが子の「存在への自信(Being)」を育むためにどんな関わりをすれば良いのでしょうか。

 

甘えさせるっていいこと?悪いこと?

子育てしていると、子どもが泣きながら「抱っこして~!」と言ってきたり、
「〇〇買って~」とおねだりしてくることありますよね。
そういう時、「甘えさせたらわがままな子になってしまうのでは?」とか
「甘やかしたら自立できない大人になるのでは?」と親なら誰しも考えたことがあると思います。

そういう時、親はどうすればいいのでしょうか。

 

たいせつにしたいこと

  • 子どもの心は「甘えと反抗の行ったり来たり」で育つ
  • 甘えていい時にじゅうぶんに甘えた人が自立する
  • 子どものペースで見守る。大人の都合で突き放したりかまい過ぎたりしない
  • 「甘えさせる」と「甘やかす」は違う
  • 自立とは

 

一つずつ見ていきましょう。

 

①子どもの心は「甘えと反抗の行ったり来たり」で育つ

こどもの心は、「甘え(依存)」と「反抗(自立)」の行ったり来たりで育っていきます。

赤ちゃんとして生まれた時は、泣いたら抱っこされよしよししてもらい、安心感の中で過ごしています。親に完全に依存した状態です。

たっぷり依存して、甘えて、安心感をもらうと、子どもの心に「不自由」という気持ちが出てきて自由になりたいと感じます。それを「意欲」といいます。

そして自立の世界でしばらくは自由を満喫します。しかしまたしばらくすると、なんだか頼りないといった不安な気持ちが出て来て、依存の世界に戻ってきます。子どもの心はこの「依存」と「自立」の世界の行ったり来たりで大きくなると言われているのです。

 

②甘えていい時にじゅうぶんに甘えた人が自立する

甘えを受け止めてもらった時に安心感をもらい、「自分にはこうやって大事にされる価値があるんだ」と自己肯定感が育っていきます。

甘えない人が自立するのではなく、
甘えていいときに十分甘えた人が自立していくのです。

少なくとも小学生ぐらいの間は、安心感の中で過ごすことが必要なのです。

 

③子どものペースで見守る。大人の都合で突き放したりかまい過ぎたりしない

大切なのが、「子どものペースで見守る、おとなの都合で突き放したりかまい過ぎたりしない」ということです。

しかしそうは分かっていても、日常生活の中で親も忙しいから、実際は大人の都合になっていることって結構あると思います。もちろんやむを得ない時もあるかと思いますが、本来は大人の都合ではなくて、今この瞬間の子どもの表情や心の状態にフォーカスしながら子どものペースを大切にしていけるといいですね。

 

④「甘えさせる」と「甘やかす」は違う

では、どこまで甘えさせたらいいの?という疑問が出てくると思います。
「甘えさせる」と「甘やかす」の違いについて一つひとつ確認していきました。

 

子どもの求めに応じることが「甘えさせる」

大人中心になってしまうときは「甘やかし」です。

 

愛情のコップの話があります。

親はわが子にいろんな愛情を注ぎます。良かれと思って、わが子の健康の事を思ったり、将来の事を思ったり。

一方で子どものして欲しいことは別の事だったりします。
カップラーメンを食べたいかもしれないし、ゲームを思い切りしたいかもしれない。

子どもが入れて欲しいコップに愛情を注ぐことができれば、子どものコップは満たされるのです。

親が良かれと思っていろいろすることは親の価値観でやっていることなので、
その時の子どものニーズと合っていないと、どれだけやっても愛情として伝わらないのかもしれません。
それが「子どものペースを大切にする」ということでもあります。

 

⑤自立とは

子育ての最終的な目的は、「自立」です。自立とひとことで言ってもいろんな自立があります。「経済的自立」ももちろん大切ではありますが、身体的自立や精神的自立もあります。

できることは自分でやる、どうしてもできないと困ったときは人に助けを求めてもいいんだという体験をくりかえすことで、他者への信頼感を育てることができます。

自立とは、人に弱音を吐かない、人に頼らないといった「孤立」して生きる事ではありません。

自立して生きるためには、
自分の弱さ、相手の弱さも知って、互いの存在を認め合いながらつながって生きることが必要だと考えます。

「甘えたらダメ」ではなく、
まずはこれまで頑張ってきた自分自身にも「甘えていいんだよ」と言ってあげて欲しいのです。

 

最後に脳性麻痺で小児科医の熊谷晋一郎さんの言葉を紹介しました。

自立とは、依存先がどれだけあるか。希望とは、絶望を分かち合えること。

 

 

これで前半のお話は終了です。

後半はグループに分かれて、感じたことや気づいたことを話してもらいました。
最後は一日の感想を一人ずつシェアしてもらいました。

 

参加していただいたみなさんの感想

・子どもと自分は別人で、子どものことをちゃんと観察して、今子どもが入れて欲しいコップは何なのかを見極めていきたい

・ネガティブな状態の子どもを見て、こちらが落ち込んでいた。受け入れたくないから。だけど、その時の子どもの感情はしっかりと受け止めてあげたらいいんだと分かった。そのためには、親である自分が安心し心の余裕が必要だと思った。

・ここにいるお父さんお母さんの一つひとつの言葉が胸にささった。自分のことも許しながらやっていきたい

私の中に理想の子ども像が常にあって、今の目の前のわが子の状態を受け入れていなかったのかもしれない。そしてどうすれば存在を肯定することになるのかをこれからも考えていきたい。

・存在を認める言葉を口に出してわが子に意識的に伝えることが、自分自身にも届いていて、親子で満たされるようになってきた。大人が弱さを見せられるようなこういった場は大切で、弱さを出せる人はとても強いと感じます。

自己肯定感という言葉は誤解されやすいが、存在の承認だという表現がとてもしっくりくる。子どものネガティブな感情について、あるものを無い事にするというのはとっても怖い事。皆が無条件に存在を認め合える世界になったらいいなと思う。

・子育てにおいて愛情というのが何なのか分からないと感じてきた。現代は大人側の「受け止められ不足」だと感じる。それをもっと解消していきたいと思う。

甘えに対して「いいのかな?」と抵抗を感じるのは、自分の中に「不安」があるから。その不安が何から来ているのか、なぜ不安なのかを考えていきたい。そして、その自分が囚われていることに気づきそしてゆるめていけたら良いと思う。

・自分の中にあるあたりまえの価値観「完璧であれ」「相手を喜ばせろ」「急げ」「強くあれ」「一生懸命であれ」といった囚われのようなものを否定するのではなく、あたたかく成仏させて解放させてあげたい

 

今回も、あたたかい場となりました。ご参加いただきありがとうございました!

次回のテーマは「子どもの話を聴こう!」です。
あゆさんがお話してくださいますのでご期待くださいね。(T.O)

子育てカフェのみなさんと。

 

子育てBARのみなさんと。 「甘え~」と言いながら思い思いの甘えのポーズで笑

 

 


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お昼はリアル、夜はオンライン。

土曜のお昼は、リアル開催の子育てカフェ。
木曜の夜は、オンライン開催の子育てBAR。

お好きな方にご参加ください。

シーズン1「子どもの自己肯定感を育む」
第1回 子育てていちばん大切なこと(終了しました)
第2回 甘えと甘やかしの違い(終了しました)
第3回 子どもの話を聞こう
第4回 ○お話会○自己肯定感の育み方

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