2月26日(金)
コクレオの森のもりラボ企画。会員の方が自由にやりたいことを企画できる場。
今回は、「こどもの森の哲学カフェ~なぜふとんから出たくないのか?小学生が考えた『問い』で哲学してみる~」を会員あゆさんの企画で実施しました。
緊急事態宣言の中、9名の方がオンラインで集まってくださいました。
金曜の夜ということで、みなさんそれぞれのリラックスした雰囲気の中、アルコール片手にろうそくの炎を見ながら、おとなの哲学が始まりました!
「こどもの森での実践紹介」「哲学の進め方」「哲学とは?」「対話とは?」のお話がありました。
最初に、実践紹介としてこどもの森での様子をお伺いしました。
こどもの森でのこども哲学では、当日までの準備として、まずは「どんなテーマで哲学してみたいか」を子どもたちと話し合って決めます。
テーマが決まったら、一週間程前から掲示物としてテーマのタイトルなどを掲げて、無意識に哲学のことについて考えられる環境にしておくと効果的だそうです。
当日は1グループ7~10人ぐらいのグループを作ります。
まずは子どもたちに哲学のやり方について説明します。
哲学対話とは、物事の本質を対話を通して探求する活動。
- 頭で考えたこと、心で感じたことを、言葉にして伝える
- 耳で他の人の話を聞く。
- 自分の考えや相手の考えを「それは本当かな?」と問う
「対話」とは、おしゃべりや議論やお説教ではなく、自分の正しさを主張するものでもない。100人いたら100通りの見方があり、その人なりの「正しさ」がある。相手にはそう見えているのだなと受け止める。みんなの話をリレーのように聞きながら、みんなでその全体像を俯瞰してみる感覚。そして共通了解を見出していきながら本質に近づいていきます。その過程が「対話」です。哲学では「自分に問う」作業がとても大切ということも伝えます。
子どもたちと哲学をはじめます。
- ファシリテーターと記録は大人が担当。記録係は全体に見えるように、模造紙に文字や図を書いていきます。
- 哲学のろうそくに火をつけます。雰囲気作りも大切です。
- 対話を始めます。
- 対話が終わったらろうそくを消します。
全員で集まって、それぞれのグループで出た内容をシェアします。
1人ひとり感じたこと・気づきなどを作文に書きます。
こどもの森での実践を聞きながら、哲学の仕方を我々も学びました。
さていよいよグループに分かれて哲学をスタートしていきます。
テーマの再確認「なぜふとんから出たくないのか?」
30分ほど哲学した後全員でシェアし、再度同じグループで哲学します。
1回目の哲学タイムで出た内容を一部紹介します。
布団というのは自分だけのコンフォートゾーン。視覚・聴覚による外の世界をシャットアウトできて自分の匂いに包まれる。安心安全な場所。母親のお腹。「起きなきゃ」と思ってそこから出るのはちょっとした「決意」が必要。そこにたどり着くまでに存在するものは何?緊急度?楽しみ?義務?
そもそも睡眠って何だろう?日中の動きのための充電タイム?
布団に居ることで、その先にその人にとっての「何か」がある。その「何か」って?
自分のために使える時間を増やしたいから、自然と起きることができる。
などなど、自分と違うグループの内容もシェアしました。
「自分に問う」作業を通して再び2回目の哲学タイム。
家以外の場所での布団とは全然違う。旅先、出張先、避難所など。「家」という安心感の中のさらなる自分だけの空間として「布団」で過ごせることの幸せ。歴史的文化遺産に登録されてもおかしくないのでは?布団の中にいると現実逃避できるし、安心できる、自分の香りに包まれて、自己肯定感にもつながる?というお話がありました。
まだまだ話し足りないですが、そろそろ哲学カフェの時間も終わりに近づいてきました。
みんなで感想をシェアします。
哲学に興味があり参加しました。リラックスしながら参加できて楽しかった。
普段から考えることが好きで、今夜はよい出会いができました。
そこに「幸せ」があるから、布団にとどまる。そんなスペースを持てることに感謝。
他の人の話を聞いて、しんどい時は布団に逃げて現実逃避していいと心が楽になった。
自分の安全地帯です。自分を包んでもらう受容の場。
最後にあゆさんから、「布団というのは包み込まれた場所。母親のお腹のような、繭のような。心の成長、心の回復、体の回復ができる大切な場所ですね。」という言葉でしめくくられました。
「哲学カフェ」。
終わった後、就寝するためにお布団へ。布団にくるまれながら、いつも以上にじんわりとほっこり感と幸福感を満喫した夜でした。
(T.O)
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