【おとなの森・Manabee】おとなも学んじゃお〜 今年もManabeeが始まりました DAY1 ”子どもを信頼する”ってどういうことなんだろう?

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Manabeeとは

学びの場をつくりたい大人向けのプログラムで、今年で第7期を迎えました。
コクレオの森の4つの森の中では「おとなの森」の事業です。

今年は4月にこども基本法が施行されましたよね。
そこで、今年は「こどもまんなか 学び場づくりプログラム〜子どもの声を聴くために〜」というタイトルをつけてみました。

Manabeeでは、まず、4つのエッセンス「自己肯定感」「自己決定」「対話」「ESD」を学び、そのあと、全日程参加者は「共育プログラムづくり」へ進んでいきます。
DAY1は「子どもを信頼することから」で、自己肯定感、自己決定について学びます。

スタートは”人を信頼するってどういうこと?”

「古今東西有名人ベスト3」というアイスブレイクで小さな対話を体験し、そこからすぐに「人を信頼するってどういうこと?」というテーマで哲学対話をしました。

箕面こどもの森学園で行っている「てつがく」の方法で大人もやってみました。
てつがくのろうそくに点灯し、炎のゆらめきに見守られながら、頭と心に浮かんだことを言葉にしていきます。

相手が大人だと、役割をこなしてくれた人を信頼する、子どもだと大人との約束を守って行動してくれたら信頼する、などの「Doingに基づいた信頼」の話がありました。
対話を積み重ねる間に、心の中には、「信頼することに対して、条件付けをすることが多いのはなんでだろう?」のような問いも生まれていたかもしれません。

Aチームのてつがく 信頼するとは愛すること! 分かち合える感じ!

Bチームのてつがく 愛情を持って話を聞く! 性善説と性悪説!

オンラインチームのてつがく 聞く! 話す! 自分に問う!

ミニレクチャーDoing・Being

誰かを信頼する時、自分を信頼してもらおうと思う時、何をしたか(Doing)に着目しがちですよね。
人は生まれてきたときは何もできない赤ちゃんで、それでも、その存在そのもの(Being)が有難いです。
そのことが「Beingを信頼すること」を端的に表していると思います。
ところが、子どもは大きくなっていくにつれて、大人側から、期待されてしまうことが増えてきます。
「子どもって、本来、どんな存在でしょうか?」という問いかけが講師からありました。
ワクワクすると自然に体が動いちゃうし、興味があることには一途になっちゃうし、嫌なことがあると泣いちゃうし、友達にちょっと意地悪しちゃう…という存在ですよね。
このようなことを心に留めて、子どもに関わる大人が「これはだめ」「こうするべきだ」などのジャッジを手放して緩むと、子どもは本来の姿・自分の存在そのものを愛されていると感じ、主体的に生きるようになります。つまり、自己肯定感を育み、自己決定をしていくようになるのです。
子どもの権利の観点からも、大人は子どもの言い分をフラットな立場で聴くことが求められています。

自己肯定感のある人

Beingを信頼するってどういうこと?

「Doing・Being」のミニレクチャーの後、お昼休みを挟んで、「Beingを信頼するってどういうこと?」の対話をしました。

Aチームの「Beingを信頼するってどういうこと?」 Have toを手放す! 今を大切に!

Bチームの「Beingを信頼するってどういうこと?」 相手と自分を知る! 待つ!

囚われのワーク ”べき”を手放してみよう

「Beingを信頼すること」を別の観点から紐解くために、大人が子どもに対して持っている「こうするべき」を洗い出してみるワークです。
自分がどんなことに囚われているのかを見つめて、その囚われは本当か?を問い、囚われを緩めていきます。

愛に根差した「それでいいんじゃよ〜」

自分の囚われ(○○するべき)を抱えながら子どもに接すると、囚われているフィルターを通じて子どもをジャッジすることになります。
少し視点を変えると、つまり、「自分の正しさ」で子どもをコントロールすることになってしまいます。
子どもが自分で考えて行動するようになるためには、親がやってほしいことでがんじがらめにするのではなく、子どもが考えられるスペースを作ることが大事です。

朝、登校時間になっても子どもが起きてこなくても、起こさないで我慢するとおっしゃった方がいました。
この方は「子どもは毎日一定の時間に登校しなければならない」というのを手放したということですね。

親が緩むと子どもは自然と「自己決定」できるようになります。「今日は学校に行こう」「今日は気分が乗らないから休もう」などと自分で決めます。

手放すことが難しい時には、マジックワードを使ってみましょう。
「〇〇するべきだ」を「○○するにこしたことはない」に言い換えると、少し緩みますよね。

囚われのワークの後のシェア 突き詰めると「べき」ってないのでは? 自分の価値観の中に宝物の部分と不要な部分がある?

まとめのレクチャーと事例紹介

「Beingを信頼する」とは「ALL OKの世界観」です。
できないことがあっても、その人の存在を有難いと感じること。
自分の子どもであっても、測り知れない他人であること。
人には失敗する自由があること。
すごくすごーく長い目で見ること。
そうすると、子どもは自己肯定感を育み、自己決定して、主体的に生きるようになること。
などを、まとめとしてお話ししました。
事例紹介では、箕面こどもの森学園で日々行われている、「自己肯定感」「自己決定」に関わることを紹介しました。

気づきのシェア 手放すと楽しい!

最後に今日の講座を受講して気づいたことや、疑問に思っていることのシェアをしました。

「母だから子供のありのまま(Being)を受け止めなければならないって言われるとモヤッとするけど、みなさん、いかがですか?」という問いかけがありました。
それに対して、
「母も調子の悪い時がある、というのを、子どもに話してわかってもらう」
「子どもに対して、
私はそれは嫌なんだけど、どういう理由でそうしているの?という対話をする」
など、参加者同士で自然と対話が生まれました。

「大事にしている”べき”を手放したくない。」というご意見もありました。
もちろん、全ての”べき”を手放す必要はないですよね。ただ、もし、たくさんのべきで自分も人もがんじがらめになっているなと思った時には、「それは本当か?」と問うてみて、緩められるところは緩めてみると、お互いに考えるスペースが出てくるかもしれませんね。

「主体的に生きるって楽しい」「べきを手放すと楽しい」
「何をするか何をしないかではなく、感情を大切にしたい」
「安心安全の場を作りたい」「自分からリクエストする」
「もやもやしてるけど話せる場所がなかった」「相手を知ろうとする気持ちが大切」
「疑問があったら聞いてみたらいい」
「必要なべきと不要なべきがある」
「自分の人生をどう生きたいか?自分のスタイルを子供に見せる」
「対話を恐れない」「子育ての目的は、自分で自分を幸せにする人を育むことだな」
「子供を信頼しきれていない事を感じた。私が信頼すれば、そのうち変わる」
「何かの条件をつけてbeingを信じていた」

「子どもを信頼することから」というテーマのDAY1でした。
子どもの自己肯定感を育み、自由に自己決定ができる場は、子どもに関わる大人がバカボンのパパのように「これでいいのだ」と子どものBeingをOKし、自分の囚われを手放している場なのだと思います。
そういう場は、リラックスしていて、楽しいので、子どもが主体的に行動します。
また、大人だからといって、「我慢しないで、言ってみる・話してみる」ことで、自分のいる場が、他の人にとっても、話しやすい・言いやすい場になることに貢献できるかもしれませんね。

気づきのシェアの様子

サポーターもチェックアウト

皆様、お疲れ様でした〜

最後にDAY2の告知です

テーマは「子どもとともにつくる未来〜対話と参画」

8月19日に行われるDAY2の参加者はまだまだ募集中です!!
対話を楽しみながら、「子どもとともにつくる未来」について考えましょう。
お申し込みはこちら↓
https://kodomomannaka-manabee2023.peatix.com/view

全日程参加の方は8月19〜20日は合宿で、夜の時間帯も対話を深めるプログラムを準備しています。

皆様とお会いし、ともに学ぶのを楽しみにしております。(NY)