第37回教育カフェマラソンの話題提供者は西野緑さんでした!
大阪府教育委員会のチーフスクールソーシャルワーカーであり、関西学院大学・関西国際大学非常勤講師もされています。
テーマは「スクールソーシャルワーカーから見た子どもの状況」です。
まずは、西野さんがスクールソーシャルワークに行き着くまでの経緯をお話し下さいました。
家庭での暴力や虐待といった悩みを抱える子どもたちと話していくことを通して、子どもの問題行動は子どもの資質や能力のせいではなく、子どもからのSOSであるという仮説を持たれました。
そこから、子どもの問題行動の背後にある環境や関係性の課題と向き合っていくことにした西野さん。
自分と接することで変わった子ども、変わらなかった子ども、様々な子どもたちと出会い、「場所」が持つ力に関心を持つようになったとのことでした。
社会を変えるために、学校の中から社会を変える、そのためには学校に変化を起こすことだと考えました。
「学校は地域のキーステーション」という言葉が印象的です。
学校は子どもと家庭をチームで支援でき、子どもの居場所になる場です。
しかし一方で、保護者対応や機関連携、構造的な問題など、学校はどんどん疲弊しています。
大阪をはじめ、子どもの最善の利益のために、人と環境との交互作用の中で子どもたちが直面している問題にチームでアプローチしていけば、様々な角度から解決の糸口が見えて行きます!
今の学校を通して、子どもだけでなく、大人も孤立感や不安感に襲われていることに気づいた西野さん。
しかも多忙化によって授業研究に割く時間がない教師たちを目の当たりにし、個人ではなく、改めて構造や関係性を含めて課題を捉えることが大事だと感じました。
事例紹介では、地域全体で子どもとその家族の居場所を確保したという話をしてくださいました。
いまの生きづらさを抱える子どもに対して学校ができることは、頭ごなしに子どもの問題行動を叱るのではなく、「すべての子どもの行動には理由がある」という視点を持つこと。
その時、その場で、その子はなぜその行動をしたのかを考え、環境などを含めて包括的に考えることです。
そして、今回の話し合いのテーマは
「子どもの生きづらさとは何か」
「その子どもたちに何ができるだろうか」
子どもに大人の価値観を押し付けないこと、まず大人たちから変わること、競争社会の中、忙しすぎて子どもを追い詰めることをやめる。
おかしいことをおかしいと言える環境にして、しんどさをゆるめていくことが大事なんじゃないか。
そして、おせっかいな大人を増やし、地域で子どもを育てる!
そもそも子どもは「生きにくい」ということ自体を疑う視点もありました。
子どもの問題行動の原因に、広い視野から向き合うことの大切さを教わりました!
今年の教育カフェマラソン納めも充実したものとなりました!
次回は1月22日(金)!全員が話題提供者の飲み会です。お楽しみに♪
来年もよろしくお願いします!