第22回教育カフェ・マラソン~中塚 貴志さん


第22回の話題提供者は中塚貴志さんです。
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テーマは「場と人」
自宅のマンションをカフェとして住み開きしたり、
大学の構内に移動式のBARを作ったり、様々なプロジェクトに取り組んでいます。

アンチテーゼから出発するんです、と大学で建築を学んだ中塚さんは言いました。
建築を志す人には「建物というハードで素敵な空間を作って、
コミュニケーションを生み出したり、コミュニティを生み出したりする」ということに
熱くなっていて、自信を持っている人が多いそうです。
そこで考えます。
「ハードだけではコミュニティは生まれないのではないか」
そしてやってみます。
「ソフトな工夫だけでコミュニティを生み出そう」

そして、自分の住まいであるごく普通のマンションを住民に開放してみようと
考えたそうです。

そこから、どのように知ってもらうのか、どうやって来てもらうのか、
チラシを作ったり表札をデザインしたり、試行錯誤します。
その結果、住民同士のコミュニケーションが新たに生まれたり、
おすそ分けをもらえるようになったり、と確かな変化が見られたそうです。

新らしい人に来てもらうため、コミュニティを広げるためにも
場所を変えてみたり、広報のやり方を変えてみたり、実に様々な工夫を凝らしています。

Mobile BARは大学の中に現れる移動式のBARです。
産学連携なんて言葉もあるけど、そもそも大学内で異なる研究テーマで学ぶ学生同士の
交流が少ないと感じ、タテのつながりではなくヨコのつながり、
「学学連携」をしよう、という考えで、交流しやすい場所としてBARを作ったのです。

”なければつくればいい”

この発想は大事だなと思いました。

このプロジェクトでは移動式のBARを実際に作るので、
設計から材料集め、実際の組み立てなど、いろんな工程が必要です。
そこで、後輩に設計をお願いしたり、材木屋さんにお願いしたり、
自分のやりたいことのために、多くの人を巻き込んできます。

こういう姿勢はとても大切で、これができるからこそ、
一人ではできないようなこともできて、自分の思いが現実化していきます。

更に今は、やりたいという後輩に運営を任せているそうです。
こうして継承していくことで、思いは続いていきます。

  • 伝えようとすること
  • つくること
  • 連携(協働)すること
    (頼むこと・頼ること)

改めて大切だと感じました。

その他にも、斬新で本質的な視点から実に様々なプロジェクトを動かしています。
残りの時間で簡単に説明していただきました。

その後は、2つのグループに分かれて熟議に臨みました。
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テーマは「自分の好きな場所とそこでの体験」
「人と人のコミュニケーションを生み出すアイデア」です。

自分の好きな場所ではそれぞれば思い入れのある場所を紹介しました。
それに理由を付けることで、場を好きになる要素について検討していきます。

目的がなく、何をしてもいい、ただいるだけでいいというような空間、
ありのままでいれる「ホーム感」がある場所がいい、というのが印象的でした。
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「人と人のコミュニケーションを生み出すアイデア」では、
自分の好きな場所や、他の人の好きな場所の話を参考に
いろんなアイデアを出し合いました。

今回は、いつもの「深める」というイメージの熟議とはひと味違いましたが、
皆さんがいきいきと体験を語って、場のよさについて真剣に考えている様子も
印象的で、活気のある対話ができて、本当に面白かったです。

中塚さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。
(中塚さんのcafe303のページ:http://cafe303.tumblr.com/)
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次回は9月19日(金)、話題提供者は「まちライブラリー」の提唱者
磯井純充さんです。
お楽しみに!
(J.S.)

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