第72回教育カフェ・マラソンは箕面こどもの森学園が新刊を出版したということで、
『みんなで創るミライの学校:21世紀の学びのカタチ』出版記念回という特別バージョンで開催されました。
著者の辻、藤田、守安が登壇し、本の内容についてトークイベントを行いました。
前回の、「こんな学校あったらいいな 小さな学校の大きな挑戦」から6年。箕面こどもの森学園にはどのような変化があったのでしょうか。
執筆のプロセス
今回は珍しい執筆の方法で行いました。
その方法とは、誰か一人が書いた文章を、4人でまわし、どんどん編集していくというものです。
最初書いたものが、次の人にわたり、その人の感覚で修正する。それをまた次の人へとまわし、最後には書いた人のもとへ。
そのように繰り返していくうちに、4人の納得する文章へと校正していきました。
6年間の変化
今回、執筆に至った経緯としては、前回の本から6年が経ち、本の内容と実際に大きな変化が起こっているためでした。
- 中学部開校
- 定員を超える新1年生の申込み
- 全国から見学者
- ユネスコスクール認証
- 全国で24校のサステナブルスクール(ユネスコスクール重点校)に選ばれる
- UNESCOバンコクによるハッピースクールに選ばれる
この6年で以上のような変化が起こりました。
小さな学校の大きな挑戦の結果、少しずつ周囲の反応が変わってきたようです。
特にユネスコスクールに認証されてからは、生徒数も大きく増えました。
※ユネスコスクール:ESD(持続可能な社会の担い手を育む教育)を実践している学校のこと。
こどもの森は、ESDをはじめから知っていたわけではありませんでした。ESDというのがあるとは知らずに、私たちがこうやったらよいと考えてやっていた教育がまさにESDだったとのことを知ったそうです。
大学の教授からも、「教育の本質を追求すれば、そのカタチは自ずとESDになる」と言っていただいたときには、勇気づけられたような気持ちになったそうです。
コクレオの森の展開
「認定NPO法人箕面こどもの森学園」は今後「認定NPO法人コクレオの森」と名称を新たに事業を続けていきます。
そう至ったのも、箕面こどもの森学園は、4つの森というものを展開しており、法人名である箕面こどもの森学園は、そのうちの一つの森でしかなかったためです。
活動が広がるにつれ、箕面こどもの森学園では説明できなくなり、今回法人名を変更するに至ったそうです。
『4つの森』※詳しくはホームページを参照。
- こどもの森
- おとなの森
- こそだての森
- ミライの森
ちなみに「コクレオの森」とは英語の「Co(共に)」とエスペラント語の「Kreo(つくる)」の造語だそうで、「共につくる」を意味するそうです。
今後の展望
目指したいこととして以下のようなことを話されていました。
- 学校法人化
- 学校を中心としたまちづくり
- 生涯学習の場
箕面の学校も定員がいっぱいになってきており、2校目を検討しているそうです。
2校目は里山の豊かな自然環境の中での学校を検討しており、学校だけではなく、オフィスやカフェなども入っているような学校を中心としたまちづくりができるようなものを構想されています。
また、子どもだけでなく、大人もその場で学べるような、生涯学習の場としても機能させたいとのことでした。
21世紀の学びのカタチとは?
トークイベント終了後は、グループにわかれて、著者も含めて本の副題でもある「21世紀の学びのカタチとは?」ということについて熟議しました。
参加者の方からいろんな意見がありました。
「21世紀はより、自分の内面に目を向けることが大切なのでは?」
「教科学習と、探究学習の関係ってどのようなものなんだろう?」
「21世紀の学力と20世紀の学力って違うと思う」
熟議後、各グループで話した内容のシェアを行いました。
最後に
学園長の辻が最後に
「私たちは、妄想族なんです。こんな学校あったらいいなを妄想して、それをつくるってことを繰り返してきたんですね。これからも、そのように妄想していくってことを大切にしていきたいです。」
と話していました。
妄想して、それを共につくってきた学校が箕面こどもの森学園改め、コクレオの森なのかもしれません。
出版記念回は、ミライのことを考える、わくわくする時間となりました。