こどもの森市民共同発電所

KODOMONO-MORI PEOPLE'S CO-OPERATIVE POWER STATION

1.こどもの森市民共同発電所とは?

箕面こどもの森学園の子どもたちにとって、より良い教育環境を整えるために、小野原に新校舎を建設しました。そして、この校舎の屋根に8.7KWhの発電能力を持つ太陽光電池を設置しました。私たちは、この校舎をこの学園の教育のためだけではなく、子育てや多文化共生、自然環境保護などの市民活動団体が交流できる場にしたいと考えています。 様々な人とのつながりの中で、子どもたちは多様な生き方を学んでくれるでしょう。

この太陽光発電装置の建設に当たっては、環境問題のことを考え、持続可能なエネルギーを自分たちの手で作りたいと考える市民の方たちにも加わってもらったので、市民共同発電所と名づけました。この発電所を学校の子どもたちにはもちろんのことですが、地域の子どもたちの環境学習の教材の一つとしても役立てたいと思っています。

2.地球温暖化防止に私たちができること

私たちが毎日使っている電気の約6割が石油・石炭・天然ガスなどを火力発電所で燃やして作られています。火力発電による二酸化炭素の排出は、二酸化炭素排出量の約3割を占めていて地球温暖化の主な原因と考えられています。私たちは、このような電力会社だけに電力の供給を頼るのではなく、二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギーを市民が作りだす、市民エネルギー主権を確立することができればいいと考えています。

3.こどもの森市民共同発電所の運行状況について

 2009年2月、箕面こどもの森学園の新校舎の屋根に68枚の太陽電池パネルが取り付けられました。この太陽電池パネルは、球状シリコン太陽電池セルを使った特殊なタイプです。これだとセルを曲げることができるので、曲面の屋根などにも設置可能です。球状シリコンの太陽電池パネルは日本で初めていうこともあって、これを選びました。

◇装置の概要

 この太陽電池パネルは、単結晶太陽電池モジュールCVM−128T1(クリーンベンチャー21社)というもので、1枚のサイズは1637mm×987mmで、20kgの重さがあります。公称最大出力は128 Wで、68枚を合せると面積は110 mになり、最大8.7 KWhの発電能力があります。

 

太陽光発電をするには、太陽電池のほかにソーラーパワーコンディショナー(インバーター)という直流を交流に変換する装置が必要です。オムロン社製の5KW用(KP55F)と、4KW用(KP40F)の2台を設置しました。それに接続するPV-BOXと呼ばれる太陽光発電システム用接続箱も2台取り付けました。

これらの発電装置に加えて、太陽光による発電の状況を分毎に計測・記録・送信する太陽光発電計測装置(パソコン)と、それを画面で表示する太陽光発電表示装置(32型液晶モニター)も設置しました。この装置によって、太陽光発電量の時々刻々の変化の様子や過去の発電の様子をグラフ表示して見ることができます。

◇2009年3月から1年間の発電状況

最初の1年間の太陽光発電装置の稼働状況について報告します。下のグラフは、2009年3月から2010年2月までの1年間の月別の発電量を示したものです。夏が発電のピークと思っていましたが、この年は4月の発電量が最大で、1000 KWhを越えました。8月と9月が第2のピークでしたが、これは935 KWh程度で1000 KWhを越えることはありませんでした。そして、11月から2月にかけての寒い時期は500〜600 KWhくらいに発電量が落ちています。発電量が最大の月は4月(1021 KWh)で、最少の月は12月(546 KWh)でした。

2009年3月からの1年間の総発電量は9406KWhで、月平均で780 KWh程度の発電量がありました。総発電量のうち、1810 KWh(19%)を学園で使いました。その残りの7596 KWh(81%)は電力会社に買い取ってもらいました。

※当発電設備から発生する環境価値は、グリーン電力認証制度参加により売却され、第三者へ移転します。