昨年10月から始まった教育カフェ・マラソンも今回が6回目。話題提供者に京都造形芸術大学教授の寺脇研さんをお招きしました。
寺脇さんはご存知のように文部科学省の元官僚で、「ゆとり教育」を主導された方としても有名です。
今回のカフェでは、最初の50分間ほど、寺脇さんにゆとり教育が目指したものを話していただきました。
「ゆとり教育は、どちらが正解なのか、○か×かという発想から抜けだして、その問題を「自分の頭で考えるゆとり」を持とうというもので、多様な答えがある、多様な考え方があるということを知ることが大事だ」、
「ゆとり世代はダメだ、という世間の批判があるけれども、ゆとり世代の若者たちの中には、世間の常識とは違って多様な経験を積んでいる活動的な若者たちも少なくない」という話しがあり、当日会場の来ていた一人の高校生を紹介されました。
彼は将にゆとり世代の人で、現在、通信制高校に通いながら、「語り場大学」というイベントを企画したり、講演活動なども行っているとのことでした。こんなことをやれる高校生もいるのかと感心しました。
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寺脇さんのお話の後、10人くらいの3つのグループに分かれて、寺脇さんが出された「ゆとり教育あるいはゆとり世代のわるいところは?」というテーマについて、それぞれのグループで議論しました。
20分間くらいのディスカッションをメンバーを入れ替えながら3回おこない、大学生から70才台の方まで老若男女が混じって、いろいろ立場や視点から意見を交わしているうちに、あっという間に予定の時間が来てしまいました。
一般にゆとり教育やゆとり世代について肯定的な意見が多かったように感じられました。
ゆとり教育を取り入れる教育環境がまだ整っていなかったのではないか、ゆとり教育についての教育する側の人たちの理解が十分ではなかったのではないか、現在の学校教育システム自体に問題があるのではないかといった鋭い指摘もありました。
最後に、各グループの代表者から、そのグループで行われた議論をまとめて発表してもらいました。
こういった年齢に関係なくフランクな議論ができる学びの場があり、それに若い人たちが積極的に参加していることはステキなことだなと改めて思いました。
第7回は、田上時子さんをお迎えします。(M. T)