第28回教育カフェ・マラソン~浜田 寿美男さん


今回の話題提供者、浜田寿美男さんは「川西市子どもの人権オンブズパーソン」代表オンブズパーソンとして、子どもを守る活動をされています。

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子どもの「育ち」の時代による違いについてのお話から始まりました。
かつては今ほど「発達」という言葉は一部の学者さん以外には使われていなかった。
ところが今日は多くの場面で「発達」という言葉を聞くようになった。

 

「子どもたちは、おとなから守られながら、そのなかで将来必要な力を身につける」
この言葉にはいくつか違和感を覚える。
確かに子どもは弱い存在だし、守られて育つものだが今は守られっぱなしなのではないか。

 

昔も守られてはいたが、小学生の頃くらいから親の手伝いをしていた。
子どもがいれば、子どもが働くのはごく自然だった。子どもの助けが必要だった。

 

兄弟ができると上の子が下の子を育てる。それが子どもの仕事の一つだった。
大きくは大人に守られながらも、自分が家族の生活の一翼を担っていた。
生活の一翼を担って大人になっていった。

 

ところが今は守られっぱなし=働かなくてすむ、になっているように感じられる。
それは人類史上初めてのことではないか。

 

「守られっぱなしで人は育つんだろうか?」
そんな問いが出てきました。

 

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学ぶ、への違和感のお話もありました。
学ぶとは、できなかったことができるようになること
知らなかったことを知ること
なかった力が身につくこと
生き物が生きていくためには膨大な力が必要です。

 

何のために学ぶのか
それは「学んだ力、身につけた力を使って生きるため」

 

歩行の力を身につけると、新しい世界「歩行を身につけた世界」を味わうことができる
世界を広げることができる。
学齢前に身に付ける力は生きていくために必要な力で生きることに直結している。

 

学校で身に付ける力はどうか?
新たな世界を味わうために使われているか?
と考えると、少し違うのではないか。

 

身に付けたら直ちに使う、ような力とはどんなものか。
例えば、読み書きの力は必須です。文字を見ない日はないのですから。

 

文字の読み書きができる前は、文字はどのように見えていたか。
今ハングルが読めない皆さんにとって、ハングルは謎の模様だ。それと同じだったはずだ。
言葉を学べば、謎の模様が意味を持って浮かび上がってくる。新しい世界が広がる。
これは子どもたちにとって大きい。子どもは喜んで学ぶ。

 

学年が上がると、学んだ力を生活で使っているという感覚が薄れていく。

 

将来困りますよ。と言われて勉強させられる。
それを学んでいるかどうか確かめますよ、と言われている。そして試される。

 

入試の点数として使われ学校教育制度の梯子を渡っていくために必要とされていて
それを超えると忘れてもかまわないものになってしまっている。

 

学校で学ぶことは実質的に生活の役に立っているか。
制度的な意味ではなく、実質的に意味を持っているか。

 

それにすり替えられているのではないか。
暮らしの中で自分の力を発揮して生きているという感覚を求められない。

 

以上のような常識が子どもの「育ち」を根っこから揺るがしているのではないか。

 

「人が育つって何だろう?」
そんな問いも出てきました。

 

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熟議のテーマは
「子どもを守る」「子どもが守られる」とはどういうことか?
「子どもが学ぶ」とはどういうことか?

 

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この二つのテーマで熟議が行われました。

 

全体発表では、

 

「失敗して学びになる。失敗できる環境を」
「机上の学びと現場に行っての学びの違い」
「制度的には守られ、学べているが、
自己実現が満たされているか、と考えるとどうか」
というような言葉が出ました。

 

そしてまずは「大人が自信を持って生きていきましょう」
という言葉が印象的でした。

 

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最後に浜田さんよりお言葉をいただきました。

 

人は身体で生きている
身体のあるところで生きている
今ここで生きている

 

身体に備わっているもので生きている
できないものができるようになる、それはできるようになれるものを持っていた。

 

今の手持ちの力で生きている。
結果として明日できるようになるかもしれない。

 

手持ちの力を使って生きる
何かをして周りの人から喜ばれる体験が大切。
人はプレゼントができる生き物である
喜んでくれることがうれしい
その体験が少ないのではないか。

 

そういう機会が必要ではないか。それをどう作っていくのか。

子どもを取り巻く環境、そして子どもが育つとは、学ぶとはということについて深く考えて、

これからのことが考えられる素敵な機会になりました。

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浜田さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

次回は3月20日(金)
鈴木留美子さん(「障害」ある子どもの教育を考える北摂連絡会 代表)です。
お楽しみに!

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