第53回教育カフェ・マラソンは、話題提供者が一ノ瀬健太さんでした。株式会社創世ライフワークス社というキリスト教専門の葬儀社で統括マネジャーをされている方で、終活カウンセラーでもあるという方です。
でも、一ノ瀬さんは、終活の話をされたのではありません。一ノ瀬さんご自身の不登校体験を元に、コミュニティの大切さの話をされました。小学校2年生の時に、学校に持っていく予定だった毛糸のことを母親が忘れてしまったことがきっかけで、一ノ瀬さんは、不登校になってしまったのです。小学校、中学校とほとんど登校できず、それなのに修学旅行には参加するといった状態でした。では、なぜ学校に行けなかったのだろう、今になって言語化してみると、人の視線にされされて疲弊してしまったとご自身で省みておられます。
しかし、不登校児だった一ノ瀬さんは、ひきこもりにはならずに済みました。それは、周囲の人の理解と受容があったからといいます。ご家族や友人や先生です。ご両親の対応、友だちが一緒に遊んでくれたこと、理解のある先生の対応がよかったのでしょう。一ノ瀬さんは、先生からもらった手紙について、先生が先生自身のことだけを書いた手紙の方がよかった、一ノ瀬さんのことに触れた手紙の方が重かったとおっしゃっていました。
そこで、一ノ瀬さんの問題意識はコミュニティ。家族や学校以外のコミュニティでした。それを熟議のテーマに、3つのグループに分かれて2回の熟議が行われました。不登校は重大問題ではない、コミュニティから隔絶されることが問題なのだという一ノ瀬さんの問題意識を共通認識として、話し合いが行われました。フレネ教育でも、理性的な共同体が重視されます。家族や学校以外のこどもの居場所としてのコミュニティがあることが、こどもの成長にとって必要です。そのために、受容してくれる人の存在と物理的な空間と適切な活動が行われることが欠かせないのではないかといった意見が出され、有意義な時が流れていきました。
最後に一ノ瀬さんご自身が、思っていたことを参加された方々に言語化してもらったともおっしゃっていました。
一ノ瀬さんにとっても学びになったのであれば、こちらとしてもとても嬉しいですね。
ありがとうございました!
次回は7月21日(金)話題提供者は倉田操さん(俳優・演出家)です!
お楽しみに☆