第52回教育カフェ・マラソンの話題提供者は、箕面市多文化共生センター事務局長の岩城あすかさんにお話ししていただきました。
重度の身体障碍者を中心に、障害者だからこそできることを表現することを目的に設立された劇団態変の活動にも関わっている岩城さん。介護のお仕事で身体障碍者で劇団態変主宰の金満里さんと出会って、影響を受けます。他にも、在日コリアンの人と関わるなど多文化共生に触れる経験を積みます。
大学は、大阪外国語大学(現:大阪大学外国語学部)トルコ語学科に入学。志望校を考える際に、パンフレットの最初に出ていた新設の学科を見て「パイオニア精神」でチャレンジすることに。
今となっては、トルコ人のご主人と結婚され、日本に連れてきてしまいました。
大学を卒業する頃は、ロストジェネレーションと言われる就職氷河期。大学院に進もうということで、イスタンブール大学へ。 ところが、その頃にトルコでの大きな地震も経験します。
トルコ地震に対する義援金として日本で集められた7,000万円で、岩城さんは目に見える支援をするためのカウンターパートとして声がかかり、活動に参加します。 そこで、様々な風景に出会うようになります。
トルコにある白と黒の道路。 これはこの先に通じる場所に対する差別で、舗装されている道路とされていない道路があるのです。 そこには、イスラム教の宗派によるマイノリティへの差別がありました。
2つの写真には明確な違いがある。 男女がバラバラに集まっているのと、それぞれでまとまっているのと、わかる人にはわかる、集まり方による違い。
しばらく日本を離れていた岩城さん。帰ってきたら、ちょっとした浦島太郎状態。そんな感覚に戸惑いながらも、日本の企業に就職。 トルコ大使館からも声がかかっていましたが、保険のことなどを考慮して日本の企業への就職を決めたそうです。
その後、現在に至るまで国際交流センターでお仕事をすることに。 そこがあれば、出かけていける、という感謝のされ方は気持ちが悪かったと振り返る岩城さん。 その場所や1つのコミュニティに依存する状態ではなく、社会自体がもっと多様性を持っていろんな人権を尊重できるところにという理念に共感します。
そこでは、家でいつもひとりぼっち、日本語ができなくて雇ってもらえないという外国人の話を聞き、そんな人々が安心して働ける場所になるようにとcomm cafeをオープン。 多様な中で活動されています。
そこで過ごす人たちは、時々いざこざはあって大変だけど、何とか解決しながら、次の時には引きずらないでスッキリしている。 その場所で多様なイベントなどをやりながら過ごしているそうです。
熟議のテーマは「マジョリティの中で、どうすればマイノリティが心地好くすごせるか」でした。 ひとりだけ違っていたり、マイノリティだったりする人が、どのように生きていくのか。 マジョリティの在り方がポイントになることがある。いろんなことを体験として知っていくことが大事。 無意識にそういう風に見てしまうから、という話も出ました。
まとめとしては、偏見を持たずに、いかに一対一で関われるか。個人で見ることができるかどうか。 無意識にマイノリティとして捉えて不適切な声をかけてしまうこともある。 いろんな人がいろんな意味でマイノリティである。その想像力が大事、という結論が出ました。
岩城さん、ご参加のみなさん、ありがとうございました!